この本、著者はアメリカ人でエグゼクティブをコーチングしてきた有名なビジネスコーチ。なんかタイトルがうさんくさいのになぜこの本を買ってしまったかというと「より良い人になりたかったらコレコレを始めよう」というのではなく「より良い人になりたかったらこの習慣をやめなさい」というメッセージだったから。
著者は本書で多くのビジネス・エグゼクティブの失敗→改善例を出しているけれど、彼らの抱える人格的な問題は多くのフツーの人々が抱えているのと全く同じ問題で、わたしが今まで故意に距離を置くようになった方々もまったく同じだったのでウーンそういうことだったのか!と唸りながら読んだとともに、自分の中にある悪い習慣にも目を向けながら読んだ。著者のいうやめるべき20の習慣はこちら
とくに著者が今すぐにやめるべきと主張するのは1の「極度の負けず嫌い」「何を犠牲にしても、どんな状況でも、まったく重要でない場合でも、勝ちたいと思う気持ち」ですって。なぜならこの気持ちが続く2, 3, 4, 5などなど、すべての良くない行動の下地になっているから!!
これには唸ったね!わたしが疎遠にした人々がまさにこれだった。とにかく私に勝負を挑んできて、自分はいかに私よりも優れているかを主張し、わたしのムスメより自分の子が優れていると主張しつづける方々。そしてこういう人たちで溢れているのがこのニューヨークという街なのかも
一方で私が本当に尊敬している友人たちはみな、わたしに勝負を挑んで来ないことに気がついた。わたしも彼らに勝負を挑んでいないし、本当にすばらしい人たちだなあと尊敬し、向こうもわたしという存在を尊重してくれる。そしてそういう人たちは出会った頃からそうで、今も変わらない
勝ちたい気持ちは大切ですよ、勝たなければいけない時もある(受験とか入社試験とか)。でもなんでもかんでも日常が勝負と競争になってしまったら、その日々は楽しく愉快で笑顔あふれるものかな?と。特に子育てをしていて、子どもに競争に勝つことだけを教えこんだら、その子どもは何か利益がないと人助けをしない人間になるだろう。モンテッソーリはそういう人間を育てる事を最も懸念していた。だからPeace education(平和教育), Grace and Courtesy(優雅さと礼儀)のレッスンがあるのだから
人に勝つ必要がない人は自己肯定感が高い人なんだと思う。自己肯定感が高いと、人と自分を比べなくても常に自分に満足しているので、ムキになって人に勝とうとする必要がない。自分を好きであること。もちろんわたしも、もっとこうだったらいいなあ、もっとお金があったらなあ、などなど思うけど、今いまの自分自身にそれなりに満足して、日々は充実している。フルタイムで仕事をしたいけれど、子育てのために仕事はセーブして、家族のために料理する自分が誇らしい
この本は自分自身をみつめなおすのにとても良い機会になったし、事あるごとに開いて自分自身のチェックリストにしたい。あ、じつは21番目のやめるべき行動もある、これもウワーーいるいる!身近にそういう人が!と電車の中でつぶやいてしまった。それいついては本書を読んで、唸ってほしい!