January 12, 2016

プログレッシブ教育 (1) デューイ

「プログレッシブ教育:進歩的な、前進・漸進的な教育」

反対語は「トラディショナル教育:伝統的な教育」

生徒は定位置に座り、先生が生徒の前に立って知識を伝授する方法、つまり教師中心・知識という情報伝授が中心の教育。

プログレッシブ教育の柱は子どもが教室の中心・体験学習で、モンテッソーリ教育の他にもウォードーフ(シュタイナー)教育、レッジョ・エミリアなど、様々な実験的教育法が存在します。

私は今AMSのモンテッソーリ教師資格取得のために、School Observationといって、モンテッソーリ校を自分で4校選び訪問させてもらい、クラスルームを観察してレポートをインストラクターに出さないといけないという課題に取り組んでいます。でも観察した事をただ、あーだった・こーだった、というレポートではダメで、歴代のプログレッシブ教育学者の論説と、自分が観察した内容をひもづけてパラグラフを書かなければならず、歴代のプログレ教育学者の学説がどれも似たり寄ったり(失礼・笑)なので、自分の中で整理して、観察事実と照らし合わせて・・・というのにエラく時間がかかってしまってます(涙)

と、いうことでこのエントリーは次のレポートのための自分へのメモ。

プログレッシブ・4大教育学者(ホントは5=モンテッソーリを含めるのだけど、このブログはモンテッソーリがテーマなのでここでは割愛)の各セオリーまとめ。私の他にも教育系の勉強をしている方のお役に立てば嬉しいです


(1) John Dewey ジョン・デューイ(Born in the U.S., 1859~1952)

プログレッシブ教育といえばこの人!笑

1900年代アメリカにおけるプログレッシブ教育発展を担った中心的存在(その頃ヨーロッパではモンテッソーリやピアジェが同じようなメッセージを発信)

1800年代の厳格な伝統的教育に対する反動としてのプログレッシブ教育法を考案・実践、シカゴ大学に"Laboratory School"を開校しアメリカにおけるプログレッシブ教育ムーブメントの中心となった。1904年教育費予算について大学事務とモメてシカゴ大学離職、コロンビア大学に移籍し研究を続けた。


Child Centered Education
従来(伝統的教育法・今でもそうかも)は先生が前に立って子どもを並べ、知識を教授することが教育であったが、真の学びは子ども自身で行われる。子どもが教室の中心となって実際に手を動かして活動し、教師はその活動の手助けをする教育が真の学びを助ける

Children learn from "Doing," not listening
子どもは先生の話を聞いて学ぶのではなく、実際やってみることで学ぶ

Real-life tools, materials and experiences
子どもは現実の生活に根付いた実際的な道具を使い、その経験から学ぶ

Individualized Curricula
 個々の個性・発達段階に合ったカリキュラム

Observation is essential
教師は学問的な知識を己に蓄積する事のみならず、個々に合ったカリキュラムのためにはまず教師がよく子どもを観察し、発達段階や個性を把握すること

Don't be afraid of using your knowledge in the classroom
教師は己の持てる知識を教室で充分使うこと

Make sense of the world for children
教師は自己の知識と経験を使い、子ども達に彼らが生きるこの世界・世の中というものを把握させる必要がある

Education must involve the social world of the child and community
社会と子どもを結びつける教育を!

Plan purposeful activities — "Have Fun" is not enough
楽しいだけの活動ではなく、目標・目的のある活動を提供せよ・・・この活動によってどうこの子どもの発達を助けられるか?どんなスキルが身につくのか?子どもたちが社会に出る準備になるか? 社会と子どもを結びつけられるか?

Observation, organization and documentation
教師に必要なものは観察力、構成・編集力、文書化する能力


デューイの唱えた教育法は子どもにあまりに多くの自由奔放を許し、それをしっかり監督する教師の不在が批判された、つまり教師自身のクオリティが非常に重要ということ。教師の観察力、学問的・社会的知識、学習内容の構成力、リーダーシップ、共感力、品性などで、そのクラスルームの善し悪しが決まってしまう事、良い教師の不在を本人も認めていた。これは他のプログレッシブ教育もはらむ共通の問題点として留意しておくこと。子ども中心の教育を機能させるには、教師もやはり重要な環境の一部ということですね


プログレッシブ教育その(2) エリック・エリクソンへ

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