モンテッソーリ教育とモンテッソーリメソッド。
このふたつを一緒にして捉えている人が多い気がするのだけど、このふたつは似て非なるもの。端的に表すと
★モンテッソーリ教育:
マリア・モンテッソーリが研究・統括した、幼児期における人間の行動の特徴(敏感期)をもとにした、子どもの自然な発達を大人が援助するための方法論。
マリア・モンテッソーリが科学者として子どもの行動を観察し、その特徴をもとに方法論を編み出し、大人はいかに幼児を助けるべきかを論じた、科学に基づいた普遍的な教育論
★モンテッソーリメソッド:
マリア・モンテッソーリが子どもを観察・研究した結果を元にデザイン・開発した特別な教具が揃えられ、その教具の正確な使い方・子どもへの与え方・子どもの行動の観察の仕方を特別に学んだ教師が指導、援助する「特殊な空間で行われる幼児教育方法」のこと
こう文字にして書くと難しい気がするけども要は、モンテッソーリ教育は特殊なモンテッソーリ教具がなくてもその本質を正しく理解していれば実行できる方法論、一方でモンテッソーリ・メソッドは特殊な環境(教室・教具・教師)がある環境で行われる教育、ということ。
確かに実際のモンテッソーリ教具はとても美しく魅力的なので、その教具がそこにあるだけで子どもはそれを手に取ってお仕事をはじめたくなる、そういうふうにデザインされています。(ちゃんとやっている)モンテッソーリ教育実施校のクラスルームは他のプリスクールや園に比べ整然としていて、花が生けてあったり、文化的な装飾が施されていたり、その空間にいるだけで落ち着き、正の空気が流れていることを感じます。
が、モンテッソーリ教育を正しく理解しさえすれば、私が思うに特殊な教具や先生がいなくても「モンテッソーリ教育の本質にそった教育は可能」です!!モンテッソーリ教育を知らなくても自然と「モンテッソーリ的子そだて=子どもの自然な発達を妨げず、適切に援助をしている家庭」もたくさんあるからこそ、今の世の中に素敵に育った大人だって沢山いるのです。
だからモンテッソーリ園が近くにないからモンテッソーリ教育はできない、と諦めてしまうことはナンセンスだし、モンテッソーリ園に行かなければ歪んだ発達をしてしまう〜っ!!と嘆くこともない。逆に言えば「子ども」という生き物の成長の本質を養育者が理解していなければ、いくら高額払って有名モンテッソーリ園に通わせたところでムダだし、手作り教具を与えることがモンテッソーリだと勘違いしたような親の家庭の子どもも逸脱発育したままでしょう
ニューヨークのモンテッソーリ校は授業料は何万ドルもするのにディプロマを持っていない教師ばかりだったり、ディプロマ持ってるけど本質を忘れてしまった詐欺まがいの教師や、AMS Accreditedだけど欠陥だらけのプログラムをやってる学校が多い(つまり価格と質が比例しているわけではない!!マンハッタンの私立モンテ校(とうか私立のプリ全般)はその先の私立K-12校への足がかり、小学校から公立へ行かせる家庭にはニーズが合わないように思うけどどうなんでしょう??)ので、そんな学校に何万ドルも出すくらいなら、いちばん子どもを近くで見ていられるお母さんやお父さんがモンテッソーリ教育を勉強してホームスクールしたほうがマシ!!
高額出して有名モンテ園にただ放り込んだって、家庭での子どもの成長の理解と援助が無ければ「絶対に」正常化は望めないのです
モンテッソーリ教育とは(1)伝統的な教育との比較
モンテッソーリ教育とは何かを理解するための本リスト
【日本語】
★子どもの発見 マリア・モンテッソーリ著
★幼児の秘密 マリア・モンテッソーリ著
★新しい世界のための教育―自分をつくる 0歳~6歳 マリア・モンテッソーリ著
★人間の可能性を伸ばすために―実りの年6歳~12歳 マリア・モンテッソーリ 著
何でもそうだけどやっぱり考案した本人が言ってる事に耳を傾けるほうがイイ!!いろいろな人がわかりやすくモンテを伝えようとして本を出版されていますが、まずは張本人の話を聞いてください。難点は需要が少ないためか価格が高いこと。。電子書籍にしてもっと安く配布できないんでしょうか??中古でも入手可能、さがしてみて!
★よろこびの中に生きるモンテッソーリ教育 松本静子著
★おかあさんのモンテッソーリ 野村緑著
★お母さんの「敏感期」モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる 相良 敦子著
★幼児期には2度チャンスがある 相良敦子著
★ひとりで、できた!―子どもは手を使いながら一人立ちする 池田 政純、則子著
【英語】
モンテッソーリ教育って日本では幼児期だけのもの、と思われている節があるけど、ほんとうは24才までを見越して系統立てられた教育法。幼児期、児童期、思春期、青年期までを通してわかりやすく知ることができる良本。これほんと日本語訳にしてデジタル出版したいなあ〜! (電子書籍だと安く配布できるから!日本の本高過ぎだとおもう、アメリカならモンテ関連の本けっこう安く手に入る、それが単純に普及率につながってると思うんですが。。。)
これもすばらしい内容、しかもDr Lillard本人による講演ビデオが出てるので、英語で聞ける人はぜひぜひこのDVDを見てください。わかりやすく伝統的な教育法とモンテッソーリ法の違いがまとめてあっておすすめ!こちら
★ The Absorbent Mind by Maria Montessori
★ Secret of Childhood by Maria Montessor
★ Discovery of the Child by Maria Montessori
★ Montessori from the Start: The Child at Home, from Birth to Age Three by Paula Polk Lillard and Lynn Lillard Jessen
★ Montessori: A Modern Approach by Paula Polk Lillard
★ Maria Montessori: Her Life and Work Paperback by E. M. Standing
★ Maria Montessori: A Biography by Rita Kramer
ホームスクールのリソースはたくさんある。特にアメリカのお母さんたちが書いてるホームスクールのブログが良いものがおおいので参考にされたらいいと思います。英語に問題なければオンラインでちょうどいい値段で6才までのモンテッソーリ教育を学べるコースも。
★「エンジェルズハウス研究所 てんしのおうち」
日本では田中昌子先生のこちらの通信教育が有名(というか唯一?)ですね。月額4000円程度で海外からも受講でき、個別の相談もメールで対応していただけるそうです。友人がこの通信教育で学んでいましたが、とても勉強になったと言っていました。(ただ先生があまりフランク&フレキシブルではないとのこと。)
エンジェルズハウス研究所
★Karen H. Tyler の通信教育
彼女のアルバムがオンラインでとても評判が良いので試してみる価値あり(1年のコースで$315)
補足:アルバムひとつ買ってみました。内容自体は盛りだくさんで価格だけの価値はあると思いますが、なんせテキストのみで写真説明がないのでわかりにく〜い!!上級者向けといったかんじなので初心者にはおすすめしません。
http://khtmontessori.com/
★North America Montessori Center
2000ドル以上するので経済的に余裕がある人向け、短期間で通信ディプロマが取れる
http://montessoritraining.net/
★同じ組織のホームスクールプログラム、$499
http://www.montessori-home-schooling.com
★Lisa Noran Montessori for the Earth
http://www.montessorifortheearth.com/
★Montessori Research & Development
teacher's manualやマテリアルが豊富、価格もまあまあ良心的
https://www.montessorird.com/
他にもモンテ教具を売ってるオンラインショップでマニュアルが買えたりしますので探してみてください。家にモンテッソーリ教具をいくつか買いたいと思ったら、アメリカだったらわりと質のよいものが安く手に入る(もちろん廉価版ではあるけどもホームスクールするなら充分のクオリティ)
まずは本を読んだり通信教育を取ったりして「モンテッソーリ教育とは何か」を理解するところから。モンテッソーリ教育の視点で子どもの成長を見守れたら、他の人にはイライラする子どもの不可解な行動も理由がわかって、育児が面白い発見に満ちて楽しいものなりますよ!!
モンテッソーリ教育とは(1)伝統的教育との比較
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